2025年夏、テレビ東京系列で放送されたBLドラマがあります。
『40までにしたい10のこと』と『雨上がりの僕らについて』。
どちらも男性同士の恋愛を描いた作品ですが、その完成度には明確な差がありました。
本記事では、演技力・脚本力・物語の余韻という観点から両作を比較しつつ、個人の感想を記します。
作品概要
『40までにしたい10のこと』

- 放送枠:テレビ東京「ドラマ24」
- 主演:庄司浩平 × 風間俊介
- 脚本:齊藤よう
- 監督:池田千尋/小菅規照
- 原作:マミタ(漫画)
- 公式HP / 公式Instagram
人生の“やりたいことリスト”をモチーフにした年の差オフィスラブ。日常の中にさりげなく差し込まれる「生き方の選択」がテーマ。
『雨上がりの僕らについて』

- 放送枠:テレビ東京「ドラマNEXT」
- 主演:堀夏喜(FANTASTICS)× 池田匡志
- 脚本:おかざきさとこ
- 演出:山田信義/浅見真史
- 原作:らくたしょうこ(漫画)
- 公式HP / ドラマNEXT公式Instagram
高校時代の親友同士が再会し、失われた時間を取り戻す物語。瑞々しい映像美と青春の余韻が魅力。
主演俳優のこれまでの出演作
『40までにしたい10のこと』
- 風間俊介/十条雀役
「3年B組金八先生」「それでも、生きてゆく」「純と愛」などで培った“静かな感情表現”が光る。言葉を発する前後の「間」と「視線」で感情を浮かび上がらせる演技は圧巻。とにかく演技が上手くて、こういったBLドラマのいわゆる「受け」側の演技は、下手すると見てるこっちが恥ずかしくなるものが多いのに、それがない。そこがすごいと心の底から思いました。 - 庄司浩平/田中慶司役
「魔進戦隊キラメイジャー」など特撮作品で培った身体表現の巧みさが武器。立ち姿や動きに説得力があり、風間の“間”を崩さず寄り添うバランス感覚が際立つ。
正直、自分は彼をこのドラマで初めて知ったが、スタイルと声と顔がとにかく良くて驚きました。また彼も男性相手の演技(いわゆる「攻め」の演技)が自然で心理描写も巧み。これからの推しに決定。
『雨上がりの僕らについて』
- 池田匡志/奏振一郎役
「王様戦隊キングオージャー」「TOKYO MER」など出演。繊細な陰影を持つ芝居が魅力だが、台詞主体の脚本のせいなのか表情演技が薄くなっていて、最後まで感情移入はできませんでした。 - 堀夏喜/真城洸輔役
FANTASTICSのメンバーとして活躍。「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜」など出演。誠実で直球の演技は好印象。しかし表情の変化が少なく、感情の深みが伝わりにくい。最後まで「本当に奏のこと好きなのか?」という疑問が残る演技に思えました。
脚本と演出の違い
- 『40までにしたい10のこと』
脚本が余白を残し、演出は俳優の呼吸を活かす設計。ストーリーの展開がわざとらしくなく、自然体で観客の心に残る。全てにおいて心理描写が秀逸で巧みでした。 - 『雨上がりの僕らについて』
映像の透明感は高評価だが、台詞で説明する場面が多く、芝居が“聞いていて恥ずかしい”方向に寄ってしまった。展開も唐突だったり、そんなことある?的な状況が多く、役者の演技というよりストーリー全体が残念な印象。最終回は本当に、ありえなさそうな展開が詰め込まれ、母親もそんなに心入れ替えるか?今までがあんなに息子に執着してたのに?というラストでした。
テーマ性と余韻
- 『40までにしたい10のこと』は「やりたいことリスト」を恋愛にとどめず、生き方を問う普遍的テーマに昇華。観終わった後に考え続けたくなる深みを残す。
- 『雨上がりの僕らについて』は「再会と再生」を瑞々しく描くが、瞬間的な美しさに留まり、余韻が薄い。また主人公たちの家族の話も後半差し込まれたが、その展開も不自然と思いました。
全体の感想
『40までにしたい10のこと』は、風間俊介の“黙る勇気”と庄司浩平の“寄り添う間”が見事に噛み合い、脚本の余白を温かい余韻に変えていた。ストーリーも自然で、恋愛だけでなく人生そのものを描き出していた点が素晴らしい。
一方で『雨上がりの僕らについて』は映像は綺麗だったが、台詞の多さが表情芝居を狭め、全体を通して観ているこっちが突っ込みたくなるような恥ずかしさを残されてしまう。シチュエーションも不自然なものが多かった。
この2つは男性同士の恋愛ドラマとして、どうしても比較してしまうが、役者の演技力もドラマの脚本も音楽の入りも何もかも『40までにしたい10のこと』が圧倒的に良かった。特に、庄司くんという役者を見つけられたのは嬉しい。あの顔とスタイル(188cmてマジか)と声は、ずるい。ずるすぎる。この先が楽しみ過ぎです。
結局のところ、どんなドラマも漫画も映画もアニメもストーリーが大事ですよね。という結論。
役者がいくらがんばっても、脚本で面白いか面白くないが決まってしまう。
はい。あくまでの個人の感想でした。
現時点で風間君のほうはまだ最終回じゃないので(明日の夜!)ラスト観たらまた感想足します。
追記
『40までにしたい10のこと』の最終回を観ました。
最終回は・・・まあ想像通りのラストではありましたし、なんとなく最終回だから詰め込んだ感の展開ではありましたが(やっぱ公衆の面前で告白とか抱き合うとかないよなと思ってしまう)だって、ラストのパフェのシーン。スーツ着てたらやっぱバレるよね?もうバラしてんのかな?
慶司君が雀さんハグするところは、身長差天才!と思いました。でっかい方が泣くのっていいよねえ・・・
それにしても風間君を「かわいい」と思う日が来るとは・・・恐るべし演技力・・・